研究室公開

OPEN LABORATORY

21世紀のエネルギーと知的システム制御
電気工学コース

01

グリーンパワーエレクトロニクス

次世代情報化社会を支える、高効率エネルギー変換と脳型情報処理

遠藤(哲)研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

グリーンパワーエレクトロニクス技術 ~最小限の電力で、必要なインテリジェント情報処理を実現~

ノートパソコンの充電器が重く・熱くなっていると感じたことはありませんか?便利な生活を支える多様な電気機器は、大切な電力を効率よく省電力で使えておらず、発熱で無駄な電力消費が著しくなってきています。  そこで、我々の研究室では、電気機器の電源を作るパワーエレクトロニクス技術(高効率電力変換技術)や電気機器に搭載されるAI・IoT・FPGA・GPUプロセッサからメモリまでの半導体チップの消費電力を削減するグリーンエレクトロニクス技術(低消費電力技術)を研究し、賢い省エネ社会の実現を目指しています。

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【パワーエレクトロニクス】 高効率エネルギー利用のためのパワーデバイス&パワーマネジメント回路技術

   多くの電気機器では電源から得た電気を扱いやすい電圧・電流に変換して使用しています。半導体を用いて電圧や電流を変換する技術がパワーエレクトロニクスです。
 パワーエレクトロニクスにおいて多く使用されているSiデバイスでは大きさを維持したままの性能向上が難しくなっており、SiC (高耐圧)やGaN  (高速動作) などの新材料が研究されています。
 当研究室ではGaNの課題であるコストを抑えた、 安価な Si 基板の上に GaN  を成長させた GaN  on Si  パワーデバイスに注目し、 安価かつ高性能な半導体デバイスの研究を行っています。
 GaN  on Si パワーデバイスを電気機器に応用することで、 PC の消費電力の低減や、 ACアダプターの小型化や、 電気自動車の走行可能距離が延長できるなどのメリットが期待されています。

【グリーンエレクトロニクス】 3次元縦型構造デバイス・回路技術によるパワー集積システムのプラットフォーム構築

 現在多くの電子機器では平面型トランジスタで構成されたLSIが搭載されており、近年では1000万を超えるトランジスタを搭載したULSIも登場しています。しかしトランジスタを微細化していくと性能が向上する反面、消費電力の増大などの無視できない問題も生じます。そのため平面型トランジスタによるLSIの性能向上が困難になってきています。
 当研究室ではその問題を打破するため、 3次元縦型構造トランジスタという新しいデバイスを開発・提案し、日々研究を進めています。
 これまで平面構造だったトランジスタを縦方向に積層することで抱えていた課題を解決しつつ性能と集積度を向上させることができます。
 この新しいデバイスがスマートフォンで使われるようになれば、 PC並みの処理能力や、 1週間に1度充電すればよくなる、というような未来が来るかもしれません。

【グリーンエレクトロニクス】 次世代輸送システム向け高速・高適応性画像分類AIチップ&IoT向けグリーン半導体集積回路

   現在ではSiriやGoogle翻訳、 AIスピーカなどサーバーに接続することで機能を実現するAIが増加しており、今後はより高度な処理を行うことを期待されています。
 しかし現状のAI技術ではサーバに接続して処理を行うため、タイムラグが発生しリアルタイム性が損なわれる問題があります。サーバ上のデータベースに頼らずに、実世界のデータに対して、リアルタイムかつ高度な処理を行うためには、端末上での処理機能を向上が必要不可欠ですが、現状のAIチップではデータ数大きく異なる対象間の分類に適応できず、処理速度が遅く、消費電力が大きいため端末への搭載が困難です。
 当研究室では従来のコンピュータが苦手としてきた人間の脳に近い、高効率な処理が可能な新しいAIチップの研究や、電源を切っているときでもデータが保持される(不揮発性) メモリの研究を行うことでAIチップの高性能化および低消費電力化を目指しています。