研究室公開

OPEN LABORATORY

21世紀のエネルギーと知的システム制御
電気工学コース

01

生体 × サイバーフィジカルシステム

情報通信技術を駆使した先端医療・福祉システムの開発

杉田研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

医療・福祉のためのサイバーフィジカルシステム

生体はたくさんの要素が絡み合った複雑なシステムです.効果的な医療や福祉を提供するためには,人々の身体状態についてより多くの情報を集めるとともに,これを効率的に解析してフィードバックする必要があります.私たちの研究室では,システムを工学的に扱う技術を応用して,医療・福祉の分野で役立てるための,現実世界とサイバー空間をつなぐサイバーフィジカルシステムの研究を紹介しています.

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映像からの非接触生体モニタリング

 医療費の高騰やメタボリックシンドローム検診の義務化などを受け,人々の間で病気予防のための健康管理に対する関心が高まっています.

 本研究室では,日常生活において手軽に健康管理を行える環境を提供することを目的として,ビデオカメラなどを用いた生体情報の非接触計測法の確立を目指しています.

 人の皮膚は心臓の拍動に合わせて微小にその色を変化させています.この情報を高速カメラで捉えることにより,心拍数や血圧といった様々な生体信号を得ることができます.この技術を応用すれば,例えば,スマートフォンに搭載されたカメラを用いて日々の健康状態を管理することなどが可能になります.

医療・福祉のためのバーチャルリアリティ

 高齢化の進展によってひっ迫する医療や福祉に対して,バーチャルリアリティ技術を使ってアシストするシステムについて研究を行っています.

 例えば,本研究室では,身体の一部が麻痺してしまい歩行が困難になった人でもペダルを漕いで進むことができる"足こぎ車いす"について,コンピュータ内に仮想的な走行環境を構築して安全に訓練を行えるシステムの開発などを行っています.

 また,Head Mounted Display (HMD)などを使ってバーチャルリアリティを体験する際に生じる"VR酔い"を抑制する方法などについても研究を進めています.

先端放射線治療・医用画像診断

 がんの治療法の1つである放射線治療は,副作用を局所に抑えることができ,その治療成績は肺がんの場合で手術に匹敵すると報告されています.本研究室では呼吸などで位置が変化する肺の腫瘍へ放射線を精密照射する「追尾照射」を実現するため,腫瘍位置計測・予測技術の開発に取り組んでいます.

 また,乳がんや肺がんを対象としたコンピュータ支援診断システムに関する研究を行なっています.放射線画像を用いた定期的な集団検診などでは,医師は極めて多くの人を診断しなければならないという現状があります.そこで,コンピュータを用いてあらかじめ病変だと思われる部分を抽出し,実際の医師の診断を補助することを目的としたシステムに関する研究を行なっています.