研究室公開

OPEN LABORATORY

21世紀のエネルギーと知的システム制御
電気工学コース

01

磁気を利用したヘルスケアで高齢社会に貢献

磁気の技術で生体を測る

薮上・桑波田研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

口の中の細菌を測ってみよう

 近年、口腔細菌や腸内細菌と身体の健康状態に強い相関があることがわかってきています。私たちは磁性ナノ粒子(直径数nm~数100nmの超常磁性を有する磁性体)にスイッチ磁界を印加することにより、細菌を検出する方法を提案し、高齢者の口腔ケアなどに応用することを目指しています。口腔細菌(う蝕関連菌、歯周病菌、日和見感染菌等)を測って健康チェックをしてみませんか。

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高周波駆動薄膜磁界センサによる生体磁気計測

 心臓から発生する微弱磁界(心磁界)は地磁気の約100万分の1以下のとても微弱なものです。 従来、このような微弱磁界は一台数億円もする超伝導量子干渉素子(SQUID)で測定されていました。私たちは室温で動作し世界最高レベルの感度を有する薄膜磁界センサを開発しています。 右図は測定された心磁界の信号波形です。 将来、この磁界センサを使って、心臓のどこに病気があるかわかるようになると考えられます。 またこのセンサは安価なため一般の病院等へも普及することが期待されます。

ワイヤレス磁気マーカによる生体内部の位置検出

 磁性体の磁歪振動(磁性体が外部磁界に機械的に変位する現象)を利用したワイヤレス磁気マーカの位置検出システムを開発しています。このシステムではマーカが光学的に遮蔽された場所でも検出可能なため、生体内等への応用を進めています。右図はウサギの食道へワイヤレス磁気マーカ貼付のチューブを挿入して生体内部での位置検出に成功したものです。

磁性薄膜の高周波評価装置の開発

  磁性薄膜はハードディスク、磁気センサ、MRAM等、様々な磁気デバイスに使われており、電子デバイスの高速化にともない、高周波(帯域数10 GHz)、極薄膜(数 nm厚)、切り出さないインライン評価が求められています。私たちはマイクロストリップ型プローブ(右図)を開発し、プローブをウエハ等に近接配置することにより、帯域40 GHzの超広帯域計測,3 nm厚の極薄膜評価、サンプルサイズに依存しない透磁率評価を実現しました。これらは世界ではじめての成果です。企業と共同研究を進め、セミコンジャパン等の展示会にも出展しました。