研究室公開

OPEN LABORATORY

未来を切り拓く最先端のエレクトロニクス
電子工学コース

03

ナノマテリアルの表面・界面でできること

社会を支える多機能性ナノマテリアル

(齊藤(伸))・岡田研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

ナノ薄膜を実感しよう

あらゆる面で社会を支える半導体や電子材料は皆さんのスマホから宇宙開発、自動運転、遺伝子解析まで様々なところで活躍しています。次世代の半導体・電子材料では微小なナノ構造特有の効果を利用した光の伝送や超高速トランジスタ省エネ化・高速化を実現します。展示では1mmの10万分の1の厚さと薄くて透明な「ナノ薄膜」について説明します。

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研究内容

電子・半導体デバイスはDNA解析から宇宙開発まで広範な応用分野の中核を担い、ありとあらゆる社会インフラを支えています。本研究分野では半導体・電子工学を基盤に「相境界のエレクトロニクス」と「多機能薄膜・2次元材料の開発」を2つの基軸として研究を行っています。
化学、流体力学、生化学・バイオなどが融合する新しい研究領域を開拓し、半導体、エネルギー、環境分野の発展に貢献することを目指して電子材料開発とデバイス応用の研究に取り組んでいます。半導体材料プロセスに関連する様々な装置、計測機器、独自の計測システムを使った実験にシミュレーションを取り入れて研究を進めています。国内外の大学や研究機関、企業と共同研究も行っています。

相境界のエレクトロニクス

流動層と電子材料の固液界面、ナノ材料界面、相変化など相境界における様々な物理現象を利用した新たなエレクトロニクス創成を目指した研究を行っています。以下の研究例以外にも様々な観点から研究を行っています。
 
<液体流動で発電するデバイス>
2次元材料であるグラフェン上を水が流れると発電する現象があります。私たちの研究室ではマイクロフローチップを用いた実験で起電力の定量に成功しました。この成果によって水がグラフェン上を流れるとき、流速に応答して電圧が発生すること、グラフェンに接する水の面積と流速に比例して起電力が増加することが明らかになりました。

<静電気を利用した発電デバイス>
摩擦帯電を利用した発電デバイス(TriboElectric Nano Generator, TENG)の研究が世界中で盛んに行われています。国際共同研究によってポリマー表面の改質を行うことでTENGデバイスの高出力化と長寿命化に成功しました。
 
<運動性タンパク質のすべり運動を利用した熱計測>
筋肉を構成する運動性タンパク質のすべり運動をカーボンナノチューブ上で再現し、レーザー照射による熱を水中で計測することに成功しました。

多機能薄膜・2次元材料の開発

電子・半導体材料の成膜技術、改質技術、微細加工技術を駆使して、電気的、光学的、機械的、化学的、生化学的特性やナノ材料特有の物性を持つ新たな材料開発の研究を行っています。
 
<透明で電気伝導性のある薄膜>
可視光領域で透明性と電気伝導性を両立することはそれほど簡単ではありません。酸化物材料を対象に透明導電性薄膜の研究を行っています。
 
<アンモニア合成触媒>
特にエネルギー分野においてアンモニアは注目を集めている物質の一つです。窒素からアンモニアを触媒反応によって合成する挑戦をしています。
 
<抗菌作用と導電性を併せ持つ薄膜>
タッチパネルなど手が触れるデバイスに抗菌性能を持たせるためには、透明性+導電性+抗菌性のすべての性質を持つ材料が必要です。私たちの研究室では酸化物薄膜を対象に研究を行っています。