研究室公開
OPEN LABORATORY
未来を切り拓く最先端のエレクトロニクス
電子工学コース
03
まだ見ぬ超イメージングの世界へようこそ
黒田研究室 |
EXHIBIT
オープンキャンパスでの展示
人間の目の性能を超えたイメージセンサで見える世界を実感する体験ブース
イメージセンサとは、光を電気信号に変換し、映像情報を取得するデバイスです。今回のオープンキャンパスでは、人間の目では見ることのできない現象を撮像できる1000万コマ/秒の撮像速度を有する超高速撮像イメージセンサ、5ケタの明るさ範囲を1度に撮像できる広ダイナミックレンジイメージセンサ、紫外・可視・近赤外光を可視化できるイメージセンサ等の性能を体感できるブースを用意しています。また、これらのイメージング技術を支える先進半導体集積回路デバイス・プロセス技術をご紹介します。
私たちの研究
LABORATORY
撮像速度1000万コマ/秒を超える超高速CMOSイメージセンサ
撮像速度・記録コマ数・画素数の高い性能を両立させた世界最高性能のイメージセンサを開発しました。これらの性能を実現するために、画素アレイとメモリアレイを1チップ上に分離配置し、画素毎に複数のメモリを接続した構造を用いています。
2012年に高速度ビデオカメラの製品化に成功し、2015年にはイメージセンサの改良による光感度を大幅に向上させた高速度ビデオカメラの後続機が発売されました。医療・生命科学、工学分野等の研究開発現場で様々な現象を可視化することに成功し、科学技術の発展に大いに貢献しています。現在はさらなる高性能を目指した研究開発に取り組んでいます。
オープンキャンパスでは、この高速度ビデオカメラを用いて風船が割れる様子を観察することができます。
高精度近接容量CMOSイメージセンサ
CMOSイメージセンサの低ノイズ信号読み出し技術を応用し、センサ近傍に形成される静電容量の2次元分布を可視化するイメージセンサを開発しています。透明電極やnmオーダーの凹凸など、光学イメージセンサでは見ることが難しい対象物もこのセンサであれば見ることが出来ます。現在は、ディスプレイ検査装置や細胞観察への応用に向けた実証実験と、チップ性能のさらなる向上およびセンサの製品化に向けた技術開発を進めています。
オープンキャンパスではイメージングの原理についてわかりやすく説明します。そして実際にセンサを用いて、ICチップの微細な配線パターンや、硬貨の微細な凹凸を見ていただきます。
10万を超える半導体素子の特性ばらつき計測技術
イメージセンサを始めとする半導体デバイスは、トランジスタなどの半導体素子によって電気回路を構成します。1つのデバイスで1億個以上の素子が利用されることもあることから、電気的特性の「ばらつき」が全体の動作に大きな影響を及ぼします。そこで、研究室では半導体素子の特性を大規模に計測することができる、アレイテスト回路を開発しています。
写真は、開発したアレイテスト回路を用いて計測した、トランジスタの電流特性ばらつきです。同心円状に広がる電流分布が確認できます。このように、半導体の評価・開発に役立つような新規評価技術の研究に取り組んでいます。
オープンキャンパスでは、模型を使って自ら手を動かし、トランジスタの製造工程や動作原理を学び、半導体を設計・製造する面白さを体験するコーナーを用意しています。