ハードディスクに代表される磁気記録は，ビッグデータ社会を支える基盤技術の一つです．しかし，従来技術の延長では記録密度の更なる増大が望めず，新規技術の立上げが急務となっています．マイクロ波アシスト磁気記録（MAMR）方式は次世代記録技術として期待されており，開発が急ピッチで進められています．当研究室では，MAMRの背景にある物理解明，原理実証，さらには理論構築を行い，実用化のための学術面からの後押しをしています．

高性能永久磁石は電気/ハイブリッド自動車の駆動モーターに不可欠で，さらなる高性能化が強く求められています．そのためには永久磁石材料の磁化反転挙動を解明することが不可欠ですが，当研究室ではマルチスケールの磁化反転解析を進めています．まずマクロ手法として磁化曲線解析手法の一つであるFORC解析を実施し，その特徴的なパターンに対応する状態で，ミクロ手法であるu-XMCD測定を行い，実際の磁化過程との相関を秋からにしました．