研究室公開

OPEN LABORATORY

先進マルチメディア情報知能システム
情報工学コース

05

自然言語処理:言葉がわかる人工知能

体験しよう!人工知能の最前線

坂口・乾・徳久研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

自然言語処理技術を応用した、言葉が分かるコンピュータの体験型デモ

言葉が分かるコンピュータを応用したシステム・サービスを紹介します。乾研究室では、楽しい会話ができる対話ロボット、英語論文の執筆を支援するシステム、記述式試験の採点をサポートするシステムなどを開発しています。

スマホアプリが研究室をナビゲート

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知識を使った多様な応答が可能な雑談対話システム

自然言語処理の応用技術の一つに「対話システム」があります。対話システムは、人間同士が行うような会話をコンピュータで実現するものです。人間の発話に対して適切な、あるいは気の利いた返事をする対話システムは、最近ではスマートフォンのアプリやSNSでも馴染みのある方も多いでしょう。
 
対話システムの基本的な仕組みは、人間同士の対話の膨大なデータを利用した機械学習です。システムが機械学習により対話のパターンを捉えることで、どのような発話に対してもある程度自然な応答を自動で生成・応答することが可能になりました。一方で、特定の知識に基づいた応答を機械学習で生成することは難しく、人間が設計したルールに従ってデータベースを参照して生成する方が、より優れた応答ができる場合も多くあります。
 
我々の研究室では、機械学習による発話生成とルールによる応答を組み合わせることで、状況に応じた対話と知識を使った対話を臨機応変に行える雑談対話システムを開発しました。

自然言語生成技術を用いた自動ライティング支援システム

自然言語生成技術の発展により、流暢な文を自動生成することが可能になってきました。この生成技術を用いて、計算機が自然な言い回しを提案するという新たな形のライティング支援に挑んでいます。メールやSNS、レポートの作成など、適切な言い回しを推敲する場面は日常に溢れており、ビッグデータと機械学習によってライティング活動の効率化を目指します。
 
英語論文執筆支援を見据えたデモシステムでは、粗い下書きを学術論文上で自然な文に変換してくれる機能を体験できます。 本研究成果の社会実装を目指した乾研究室発のスタートアップ企業 (Langsmith株式会社) も発足しており、実世界の課題解決にも積極的に取り組んでいます。

国語記述式問題の自動採点システム

記述式問題を通した学習は、論理的思考力・表現力を養うために効果的とされています。 効果的な学習のためには添削者からのフィードバックが必要ですが、教師の数・時間が限られているために、十分に添削を行うことができないという問題があります。 本研究では、記述式問題を通した国語・英語学習における学習者支援および添削の負担軽減を目的とし、記述答案を自動で採点する技術の研究・開発を行っています。
 
日本国内において、自動採点の研究に使用可能なデータセットはこれまで存在しませんでした。我々は協力企業から提供された実際の採点データを基に、データセットを整備し公開しています。企業と協力しながら実際のデータを用いて研究を行っているため、研究成果を実際の現場に応用しやすいという点も本研究の特徴の一つです。
 
本研究では、記述式問題の答案を自動で採点することで、人間による採点作業をサポートします。答案の総合点を算出するだけでなく、答案のどの部分がどの採点基準と対応しているかを学習者・採点者に提示することにより、学習・採点の効率化を可能にします。