研究室公開
OPEN LABORATORY
次世代情報通信システムとデバイス
通信工学コース
07
ワイヤレスネットワークの未来へようこそ
末松研究室 |
EXHIBIT
オープンキャンパスでの展示
宇宙とスマートフォンがつながる!! 近未来の無線通信ネットワーク
スマートフォンはすでに私たちの生活に欠かせない存在になっています。でも、皆さんはスマートフォンがどのような仕組みで会話やメールができるか知っていますか? まず、スマートフォンがつながる仕組みを分かりやすく説明します。そして、携帯電話と通信衛星が直接通信を行い,1時間に数百万人が同時に簡単なメールを送ることができる衛星通信システムや,誰にでも簡単に設置できてスマートフォンでインターネットを利用できる衛星通信用小型地球局など、最先端の研究開発についてご紹介します。
私たちの研究
LABORATORY
準天頂衛星システムを用いたロケーション・ショートメッセージ通信
準天頂衛星システム(QZSS: Quasi-Zenith Satellite System)は,日本上空においてほぼ天頂の高仰角な位置に 1 日あたり 8 時間程度留まることができる非対称な 8 の字軌道を持つ準天頂衛星などを複数機用いて構成される予定です.この準天頂衛星の特徴により,高層ビルの多い都市部や山間部など GPS(Global Positioning System)信号を受信しにくい地域においても,いつも高精度な測位を可能とするものとして期待されています.今後,QZSS は 2010 年代後半を目途にまずは衛星 4 機体制で整備され,将来的には持続測位が可能となる 7 機体制を目指す方針が国の方針で決まっています.
一 方,2011 年 3 月の東日本大震災を契機に,安否確認・避難誘導などの災害時対応機能を QZSS に追加することが議論されています.東日本大震災では,沿岸部を中心に大規模な津波被害を受け,地上系通信インフラを完全に喪失してしまったため,被災者 の安否が数日以上にわたり不明となりました.さらに,津波などで流失した車や船などの行方も不明となり,復旧の妨げにもなりました.これらの課題を解決す るために,我々は高精度な位置情報(ロケーション)とともに,ポケベル程度の簡単なショートメッセージを人工衛星経由で双方向通信できる,携帯電話やカー ナビなどのパーソナル通信端末にも搭載可能な QZSS ショートメッセージ SS-CDMA(spread spectrum code division multiple access)通信を提案しています.
ソフトウェア無線技術を用いたマルチモード衛星通信システム
大規模災害時においても,その影響を受けにくい衛星通信システムを用いて,被災地のニーズに応じた通信回線を確保できるようにするための研究開発を行っています.ソフトウェアを切り替えることで,様々な通信方式に切り替えることができるソフトウェア無線技術を用いて開発されたマルチモード VSAT(very small aperture terminal)は,携帯電話などの地上通信方式や複数の衛星通信方式に接続することができます.また,避難所などにおいて一般の皆さんが自分たちで装置を簡単に起動させることができ,自分自身のスマートフォンやノートパソコンなどを用いて衛星回線経由でインターネットへアクセスできる環境を提供できます.東日本大震災で大きな津波被害を受けた宮城県山元町において,2014 年 3 月に本開発装置を用いた実証実験を行いました.
研究室紹介動画
以下のサイトに研究室の詳しい紹介と動画があります.是非ご覧ください.