研究室公開

OPEN LABORATORY

コミュニケーションの未来
電気通信研究所

07

ビッグデータ社会を支える通信用レーザ技術

超高速光通信を実現する最先端半導体レーザの研究開発に迫る

八坂・吉田・横田研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

光通信の仕組みと半導体レーザの役割

今日では動画やSNSなどの情報が光によって高速に伝送されています。その光源として、小型かつ省電力の半導体レーザが重要な役割を果たしています。私たちの研究室では、半導体レーザの性能を構造や駆動方法などの工夫によって向上させる研究に取り組んでおり、いくつかの取り組みを紹介します。

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超高速半導体レーザ光源

最近は動画像や音楽などの様々な情報を光によって伝送できるようになりましたが、この背景には半導体レーザの高速化があります。半導体レーザの光のON/OFF切り替えを高速化すると、通信容量を向上することができるのですが、あるところで限界が近づいてきます。私たちはこの限界を超えるための新たな方法として、注入電流と光損失を同時に制御する変調方式や光のフィードバックを用いた構成を導入することで、次世代の伝送速度である100 Gbpsを超える速度で動作する半導体レーザの実現を目指しています。

超狭線幅半導体レーザ光源

光には赤、緑、青などの「色」がありますが、通常は純粋に単色ではなく様々な色が混ざっています。レーザ光の色の純度の高さはスペクトル線幅の狭さによって表現され、半導体レーザを挟線幅化することで高精度な光計測や高効率な光通信用の光源として用いることができます。私たちは半導体レーザに光の負帰還回路を導入することによって線幅を1/1000まで狭くすることに成功しています。

スピン制御半導体レーザ光源

電子のスピン自由度(上向きor下向き)を活用した新しい半導体レーザの研究を行っております。半導体レーザから信号光を生成するためには、一般的に注入電子の密度を変調しますが、これを電子スピンの密度変調に置き換えることで、従来よりも大幅に高速化できることがわかりました。