研究室公開

OPEN LABORATORY

コミュニケーションの未来
電気通信研究所

07

ブレインモルフィックコンピューティング

新しい脳型コンピュータを目指して

堀尾研究室

EXHIBIT

オープンキャンパスでの展示

脳型コンピュータの開発

人間や動物の脳は、パソコンなどのデジタルコンピュータとは全く違う方法で、様々な情報を効率よく処理していると考えられています。例えば、脳にはプログラムは無く、学習によって知識を蓄えます。また、意識的あるいは無意識的な処理を巧みに使っています。本研究室では、このような脳の仕組みに学んだ新しいコンピュータの開発に取り組んでいます。例えば、近年注目を集めているリザバーコンピューティングに、高次元カオスダイナミクスを導入した、カオスニューラルネットワークリザバーを提案しています。

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ブレインモルフィックコンピューティング

「ブレインモルフィックコンピューティング」とは、今のコンピュータとは異なる、脳だけが持つ機能、例えば、意識・無意識、選択的注意、情動、自己など、を、脳の構成要素(例えば、ニューロンやシナプス)やその構造に学び、それらを最先端のデバイスで作り上げていこうとする研究です。我々は、ニューロンやシナプスに似た応答を自然に示すデバイスとして、スピントロニクスデバイスに注目しています。

カオスニューラルネットワークリザバー

近年、深層学習ニューラル(DNN)に対して、時系列(時間波形)の処理が得意で、学習が簡単に行えるリザバーコンピューティングが注目されている。リザバーを実現するニューラルネットワークは、ネットワーク全体として安定になることが求められる(エコーステートプロパティ)。一方、多様な入力に対応するためには、カオスを含む高次元の複雑ダイナミクスが必要である。そこで、本研究室では、エコーステートプロパティを損なうことなく高次元カオスダイナミクスが導入できる、カオスニューラルネットワークリザバーを提案し、その集積回路実装や、音声認識、時系列予測などの応用、さらには、「自己」を持つハードウェアへの展開などについて研究している。